とかちさん、おはよう。
旅行記の続きを書く前に
ゆうきちがあまりにもブチ切れて帰ってきたので、その話。
なにしろ昼前に話をされて、夜も話をされそうになったのだから
そのブチ切れ具合たるや相当のもとだと分かっていただけると思う。
いや、ただの加齢によりボケているだけかもしれないが…。
それは散歩がてらペットショップへ行く道中で起こった。
少し前を、おばちゃんが歩いていたという。
そのおばちゃんがとかちさんに気づき立ち止まった。
そして、ジッとこちらを見つめてきた。
ワンコ好き人間好きのとかちさん、
そこは挨拶に行くのが、仕様。
尻尾をフリフリ近寄ろうとしたその瞬間、
それは起きた。
「可愛いって言ってほしいの？」
…。
おばちゃんが言い放った一言。
そのとき、ゆうきちは何が起こったか理解できなかったという。
頭の中で言葉の意味を整理できないまま、
なにも言い返せないまま
立ち尽くしているうちに
おばちゃんの姿は見えなくなった、らしい。
もちろん「かわいい」とは言わずに。
「可愛いって言ってほしいの？」
ゆうきちの脳裏で何度もリフレインしているであろう、13文字。
言い返せなかったことがよほど悔しかったのだろう。
ゆうきちは私に「正解」を聞いてきた。
正解と言われても、な。
ゆうきちが受けたであろうダメージと
同程度のダメージを与えられる言葉はたぶん無い。
たぜなら相手は犬嫌いのプロ。
立ち止まって見つめてきた時点で言う気満々。
街でよくあるコミュニケーションを逆手に取り
馴れ馴れしくて鬱陶しい可愛くもない犬を散歩させている飼い主に
シンプルにしてダメージある言葉を投げつけてきたのだ。
でも、ひょっとしたら明日の朝も初めての出来事のように3度目の話をされかねない。
せっかくなので対処法を考えてみよう。
「はい」
と応えるのはどうだろう。
何か言ってきても
「少なくともあなたよりは」
と返す。
いや違うな。
「かわいそう」
憐れんでみる。
違うな。
「でぶ」「ぶす」「ババア」
汚い言葉でなじる。
同じレベルで返してどうする。
「相談にのるよ」
相手の身に立つ。
ホントにされても困る。
うん。正解はやっぱりない。
言い返して暴走されて相手するのも馬鹿らしい。
正解があったとすれば
「言い返さなかったこと」がそれに当たるかもしれない。
これを教訓に、
その手の輩とは関わらないようにすることが一番。
カワイイと心底思えるワンコがそばにいるのだから。